D.C.II S.S.

#8 さくらんぼとお兄ちゃん

親が泣いて謝ってくる理由て,子供にゃあんまり判んない.大人と子供じゃなくて親と子供,ね.

#9 壊れゆく春

愁嘆場をみるにつけ,音姉がアニメとゲームで違うのは30分ルールのためじゃないかなと.

由夢っちがお姉ちゃんお姉ちゃん言ってるのがいい.義之くんとふたりでお姉ちゃんっ子なんだから.
音姉と由夢っちがぶつかる場面を減らしてることもあって,アニメのほうの朝倉姉妹はより仲がいいほうに振れている.

#10 夢の終わり

兄さんは,いつも音姉音姉,ってそれはあんたもじゃ,由夢っちよ.だからこそ,であるが.

さくらさんが枯れない桜の完成を待てなかった,というニュアンスは外されている.それほどの切実さというのは前作を踏まえないと判りにくいからか.

純一さんとさくらさん,音姉との会話.そして義之くんとさくらさん,音姉との会話.という繰り返しで,義之くんがエッジを立てず地面を撫でるみたいに喋るのって純一さんに似てるのだなぁ,と今さら気づかせるようなつくり.

つか,

こういうことは独りで考えるのは難しいものだと判ったのではないか.きっかけを作った人が早々に渡米したので妙な感じになっていたが,僕は向こうに相談していい筋合いがあるはず,だよなぁ.と思ったらちょい気持ちが軽くなったのでした.次に詰まったら相談する.

とか考えてたものだから,ましろさんが響いた.方向性としちゃこうなんだがな.しかし見えない.見えるわけもないものを知るのにすこし時間を早巻きしたいと望むんであれば,三人目の声を聞くことであるか.

思い切ったことをする性質であるが,自分のことも他人事だと思ってる節があるからで.自分事というのがあるとしたら,新しいことは何も出来なくて.新しいことというのが最優先事項でありたくて.この先,ひとところに落ち着くってことがあるのか疑わしいのだけど.にしたって,まともな人たちに触れていると,すんごい引力のなかで暮らしてるってのが判って,その引力も頭では理解できるのだけど.

その日買ったゲームの封すら開けてないと某君に怒られるので,ちょこっとタユタマ中.どこか青臭い部屋に戻りたいときは心を無にしてギャルゲーを流し込むが良いです.

ef #11, #12

素晴らしいです.全巻揃えましょう.

記憶ていうのが時とともに薄れてゆくものとすれば,文字として記録したものは記憶であると言えない.ただ,それぞれが閉じてなくて,記憶は記録を見て変わるし記録は記憶をそのままに写さないものであるから,記憶と記録の相互の,それとそのほか周りの雑多なものとのやりとりのなかに記憶の輪郭はぼんやりとある.このやりとりっていうのは意識すればするほど劇的になっちゃうもので,a tale of memories,とはまあそのまんまです.

その意識させる要素ってのが,千尋と蓮治の物書きの気質と,千尋の記憶の仕組みでした.あとは,記憶がやりとりする相手というのは記録に限らず一時的に想起した記憶(レジスタ)でもあり得る,記憶から思い返すことで記憶を強化できる,という作中で何度も出てくる仕掛け.千尋の文字マニアックや儚さが示されるほどに,彼女の記憶においてレジスタが強く働くことがあるっていうのは隠れていって,見えなくなってたそれがときどき爆発的に出てくるところに千尋の可愛さとか,恋とか.

Clear

伝法な語りっぷりも良いが,そうでなくとも技の百貨店みたいな文章だった.前後の繋いでゆくとことか,普通でない出来事の取り扱いとか.文章というのは別に上手くなくたって良いのであまりそうした感想はもたないのだけど,こんなけ積み上げたらさすがに蔵とか建ちそうである.順当に人気あるわなぁ.