
- 出版社/メーカー: Sphere
- 発売日: 2009/09/25
- メディア: DVD-ROM
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■ 蒼穹の果てに
本編に引き続きごはんの話。本編でハルと穹のふたりがまともにごはんを作れなかったのはこの話の為だったのか、と思えますね。
あと、ハルが梢さんを選ぶ可能性について、梢さんが考えたこと。
【委員長】「想いの強さで決まるのか、一緒にいる時間で決まるのか、見た目で決まるのか………それとも偶然か……」
それらはどれだってあり得る。それがいつ決まったのか、と言い換えてもいい。選択は無限に後退することができる。
“蒼穹の果てに” は選択肢のでてこない話だけど、ショートシナリオ集の中から “堅物な委員長だって恋をするのです” を僕が選んでいたら、ハルは梢さんを選んでいたのである。もっと戻るなら、僕がハルカナソラを店頭で手にした時から彼女らは選ばれていた。
梢さんの言葉を押し広げてゆくと、恋愛というのは選択の存在に想いを馳せることだと言えよう。想いの強さで決まるのか、一緒にいる時間で決まるのか、見た目で決まるのか、それとも偶然か。恋愛に遍く存在する選択のなかで、ときどきゲームのメニューとして選択肢が描かれることは、小説における挿絵のようなもので、挿絵というものが小説と交わらず小説と平行して、ただし小説と同時にあるように、選択肢は恋愛の選択と交わらず、恋愛と平行して、必ずしも決定的ではなく、ただ恋愛と同時にあるようなものではないか。
選択肢は選び直すことができるどころかいつ選んだかすら判らないなかで、だけど選択肢というのは小説で挿絵が望まれる場合のように恋愛ゲームに添えられていると言えるのではないだろうか。
恋愛が選択によって綴られていることに想いを馳せるならば、パラ恋愛表現としての選択肢は恋愛ゲームに彩りを添える存在であって、必ずしも決定に貢献せずともよい。