タンス・タンス・タンス

With Ribbon と比べて別の人が書いたとは思えない、というくらいに前作のいいところは全部感じられる。超自然的なことの理解のされ方と、筋の通し方と、なにかとぶっちゃけでずっと助けてくれる異性の親族がいること。

有り難いです。

美也「すこしだけ、ちょっとだけ、悪い子になりませんか」

トキヤ「……それは、どういう」

まさか、このまま図書館潜伏とか……

クローディアの秘密? ちょうど児童書の棚での話で、さもなくばそうそう出てくる発想じゃないと思うのですが。

ちょっとした参照かと思いましたが、後でじっさい夜を明かしていました。

結莉夏「うんうん。たぶんソレですけど、美也ちゃんったら昔、異世界に通じる扉を探して……」

美也「あ、わ、えっと、結莉夏ちゃんっ」

結莉夏「友達の家という家、タンスというタンスを大捜索したんですよ?」

なにそれ可愛い。それはそうと、直接にはナルニアくらい? あんまり参照があるわけでないのですが、おふたりさん本好きなのね、と充分判って、過剰でない程度のそれ。

小さいころ、家のタンスをとくに意味もなく開けたり閉めたりして遊びました。ナルニア読んだのなんてずいぶん大人なってからなんで知らないのだけど、タンスはただタンスであるだけで面白いからなぁ。

そもそもタンスがああいうふうに大きくて、扉が子供の力で開けるには重くて、中が鬱蒼としていて、子供のからだひとつやふたつはもぐり込めて、そんな風にタンスがタンスのように面白いから、タンスはナルニアに通じるのだろうと思うね。

日本だとタンスがザンスに通じててもおかしくない。これは、ダジャレですが、タンスという存在がタンスという名前でよかったと思われることです。