G's 2008 April (2)

アイシアわっしょい.しかし,君も歳をとってないのか.

おそらくはD.C.S.G.同様たにはらなつきなんだけど,他の原画家のひと(ちの氏除く)も絵柄をすりあわせながら描いてるので区別がむつかしい.
眉の下にあるまぶたのラインを信じるならたにはらなつき.

G's 2008 April

G’sの企画は伝統的にあおりが面白い.今月も可笑しいのが満載であるが,ひとつだけ挙げるとすれば.

鉄道のみのイラスト多数到着
きっとお喜びでしょうーー

ところで,フタケタ組,という括りもやはりミルキィ・シーズンを思い出すところだよね.べびプリはG’sの文脈としてはシスプリよりもミルキィのほうが,年齢構成と大人数の家庭感覚において近いと思う.特にゲームのほう.ミルキィに限らずセンチとか,順当にいろんなG’sの遺産を受け継いでる.

薫風の

こちらは,中学三年の春の話.これで雪村が出てくるのは全部,といいたいところだけどちょうど本日P.K.発売ですな.

まゆき「やっほ。弟くん,それに妹くん…」

なんと! 義之が弟くんならば由夢は妹くんか.そりゃそうなるか.

LOVELESS(8)

守りなさい
草灯くんわかるね?
清明を殺すなよ

瑶二たちにやられた草灯が見せた態度と同じ.やはり草灯は律先生の教え子であるね.

シリーズの肝になる部分だと思います.

渚先生は三十路乗ってるんだなぁ.僕と結婚してください.

D.C.IIシリーズの縦読み

マルチエンドつぶす必要なしに,雪村オンリーでシリーズを縦に読めるようになってる点が一番気に入ってる.
僕はそりゃまぁ浮気性には違いないけど,時に純情でもあるのだよ.

中学2年から高校3年の卒業までの彼らを追いかけた.卒業にはやはり感慨深いものがあった.

中学2年卒業シーズン「春風のアルティメットバトル」
中学3年冬「D.C.II本編」
高校2年入学シーズン「あふた〜すと〜り〜ず」
高校3年卒業式「風見学園演劇部 〜卒業公演〜」

どれも雪村の話しか読んでないけど問題なく追いかけられるようになってる.とくに高校編(後日談)は女の子ごとに用意されてるのでね.

最後は演劇部の卒業公演と銘打ちつつ彼らが作った映画を見ることになる.これが傑作.大学生になった自分たち,という役柄で出演して撮ったもので,いや,もう,ドリームに溢れていてねぇ.彼らが思うところの大学生活のきらきら感に参った.

あと,スタッフロール研究家の水姫には伝えておかねばならんところとして,「風見学園演劇部 〜卒業公演〜」では映画の上映が終わったところで映画を作ったメンバのスタッフロールは流れるけど,ゲーム自体のスタッフロールは流れないのでした.この映画を作ったメンバというのも,雪村たちはもちろん,協力してくれた演劇部の部員の,ゲームには登場しない名前もみたこともない子たちが交ざってるので驚いた.

スペシャルサンクスとして一行だけ,サーカスの全スタッフ,とは書いてあるのだけど,それにしてもこういうところでフォーマルでなくてよいのはファンディスクならではだね.

まで

http://gs.dengeki.com/suteki/blog/2008/02/25/post-61.html

あなたがあんな風に書くから――
立夏にまで笑われたんだからね。

立夏に「まで」!
一つ年上感あふれる素敵副助詞.いちどゆうてみたいわ.

「氷柱ちゃん、ラブラブでまじヤバいー でもリカしーらない!
 きっと氷柱ちゃんも海晴お姉ちゃんに怒られるヨ〜」

いや,無意味に引用しておきたくてどうも.

http://gs.dengeki.com/suteki/blog/2008/02/14/post-48.html

リッカは太すぎるって大笑いしてたけど、あれはちゃんと線路のマクラギの形の――

リカはいつみてもなんか笑ってる.

そして明日の世界よりーー

外は大雪.マンションの廊下にまで雪が積もってる.

昼間は京都駅の天井の高い構内にも雪が舞っていて,どこから入ってくるのかと思ったら,あの大階段から吹き下ろしてくるのだ.

これは知らなかった.雪の日に京都駅へ行って良かった.

人前で話す機会に緊張したり,メールの返事が来たり来なかったりでだいぶ疲れて,とっておきの一本を開封.

エンディングボーカル集をあらかじめ聴いていた.

eufoniusの「散歩道」がおそろしく切ないので,はじめから夕陽を追いかける予定で.

水月陵にAmazing Graceを唄わせるのはもったいないと思っていた.いかにもありそうやん? あとやっぱオリジナル曲聴きたかったし.

夕陽とは,散歩道,に描かれるような関係なのだと思っていた.そうであるには違いないのだけど,しかしこれ読み始めてみるとじつはAmazing Graceがテーマ曲で,夕陽がしじゅう口ずさんでるのね.

安易に水月陵に唄わせたと思っていた.だけど,もっと重いからこそだったのだなぁ.ごめん.

あれこれ考えたけど,歌詞の意味を知っていたら,この終わりしかないというものだった.

Amazing GraceのいろんなアレンジバージョンがBGMとして使われるんだけど,ちょっと可笑しいのが夕陽がお風呂に闖入してくる場面で,軽快なアレンジのこの曲が流れるところ.わはは,台無しだ.

誤解といえば,植田亮の絵についてもそうだった.描線にだいぶ見応えがある.一通りぐるっと目でなぞってしまう.

健速さんは,やはり当代一の書き手か.上手い人というのはいくらでもいるけど,エネルギー効率というか.かけた熱量がそのままぜんぶおさまっているような圧力で,こういうのはその人の時代として区切られるものだと思うので,あえて当代という言葉を捧げます.

星空にかけて水道の話とか,レジの780円のところとか,細かい修辞の面白さも目立ったけど,せっかく何作も読んできたのでもうちょっと大きなところについて.

うん,あるがままのこと,あるいはあるがままのことがあるということをまるで信用してないのね.ぜんぶ誰かが考える言葉で解釈してゆく.それでいて読めるようになってるのは解釈が一呼吸おいた後に述べられるからで,その一呼吸の間だけでも僕らが手放しで,いま何が起こってるのかということを見ることができるからだね.一呼吸というのはひとつ先のカットとか,あんまり遠くならない場所.

あとずっと変わらない癖は,後に起こる重い出来事や言葉は先に予告して回るところ.地球が滅びてしまうニュースも,女の子の身を切るような言葉も,過去形で予告された後に,詳しく回想される.こなかなの時はそれが語り手である主人公の僕らに対する優しさだと思ったけど,むしろ,起こることよりもそれに対する解釈が先立ってしまうのだろう.

つまり,その時間差には幅があって,解釈が,起こることよりも前であることもあれば,その一呼吸あとに来ることもあるという独特のリズムになっている.くどいような丁寧さが欠点でなく,生きてくる.

そういうふうに,事故で亡くなったひとりの母親と,残されたふた組の家族,6人の気持ちを,がんちゃんは追跡することになる.だけど,そういうのは背負いきれないから,ひとりではうまくはゆかないね.

そしてすっかり抜け落ちていた,じぶんの気持ちと.

ああ。ずっといてくれ。
そしてずっと守ってくれ。
俺を傷つけようとする全てから

大村いろはを思い出さなくもないけど,素直にAmazing Graceからの想起でいいと思いなおした.

ただ,僕が素で訳すと,どうも普通の訳とは違ってしまっていて参った.

The Lord has promis’d good to me,
His word my hope secures;
He will my shield and portion be,
As long as life endures.

Yes, when this flesh and heart shall fail,
And mortal life shall cease;
I shall possess, within the veil,
A life of joy and peace.

以下,私訳.

あなたは約束してくれた.素敵なこと,
その言葉はわたしの希望.確かなこと.
あなたはわたしの盾,わたしの処方,
この命がつづく限り.

そう,この身と心が果てるとき,
死すべき命を終えるときも.
その盾のなかで,わたしは持っているのだろう,
喜びと安らぎの日々を.

よく知らなかったので,キリスト教とは関係なしに読んだ.
RPG脳なのでportionが薬としか読めなかったけど,そもそもスペルが違いますね(potion).しかし,shieldと対になる言葉だからつい,ね.
veilを盾と読むのはとても限られた場合だけど(肩盾),これも前段のshieldに引きずられたのだわ.
や,veilのくだりで僕としては断然盛り上がったのだけど,ありえないな,これは.

朝を迎えて,東山の大文字が白く染め上げられている.
前回の送り火では強風のため点が増えて「太」文字になってしまった,その傷跡もまだ白く残されている.

ベランダから京都駅のほうを見たら,雲がすごい速さで東へ流れていた.そして明日の世界より,の背景アニメーションと同じだと思った.

季節は夏.しかし,冬.