スクランのアニメ版第1回を見た.漫画では印象に残らなかったが,アニメで見てようやく天満の背が低いことに気付いた.天満と八雲の姉妹は妹のほうが背が高く,二人並んで歩いていると性格も含めたその凸凹ぶりが連想されて面白い.余談であるが天満の身長は154cmであり,これは八雲よりは低いが僕の姉よりも高い.八雲と天満の身長差は12cmで僕と姉との身長差は20cm,年下のほうが背が高いというのは男女の差を差し引いてもやはり不思議な感じがする.
アニメを見ると背丈の違いが目立つのは,おそらく漫画を読むときにはさほど人間の身体の大きさを気にしていないからだろう.少なくともあの子とこの子がぶつかりそうだというとき,漫画においてそれを双方の身体の大きさと進行方向あるいは空間の幅とを手がかりにして察知することはほとんどないと思われる.アニメ版第1回には天満と八雲を並べて映すカットがあるため素朴に比較しやすかったとも言えるが,同じように比較可能なカットを漫画版で探せば第3話(単行本p.25)に出てくるにも関わらず僕はそれを見逃していた.このことは,彼女らが奥行きを感じさせる絵の中で連続して動くことによってはじめて,僕の意識を彼女らの身体のサイズへ向けさせるような別の手がかりが生まれたと考えるほうが妥当だろう.ものの大きさというものは僕にぶつかるとかぶつからないとかいう相対的な動きの中,あるいはそれを第三者に対して連想することによって知覚される部分がある.
ギャルゲーがアニメ化された場合にもそこではじめて女の子の背の低さに気付いたことが何度かあり,「みずいろ」の小野崎清香や「Memories Off」の伊吹みなもがそれに当たる.いずれも147cmである.これはさすがに僕の姉よりも小さい.僕が常日頃並んで歩いて見慣れた身長の下限は姉のものであるため,彼女らとのことを想像をするとまるで小人と歩くようである.なるほど,壊れてしまいそうで怖いとはよく聞くが,こういう気持ちであるのか.
- 作者: 小林尽
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/05/16
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