なんでもないこと,なんでもない時間をふたりで過ごして,その去り際であるとか日が落ちる少し前,終わりが近づいて気持ちがぎゅっと詰まってきたら打ち明け話の時間だ.静かな空気のなか声を溶かすように,一日が夜へ吸い込まれる勢いを借りて.
今日はそういう日になるだろうな,っていう流れがあるよね.
きっかけは家族の話で,私とお姉ちゃんじつは義理の姉妹なんだ,とか.大きいようにみえて,でも本当に打ち明けたいのはその程度のことじゃないんだよなぁ.
以下,晴樹が千夏の家から帰るところ.
美冬「待って、私も行く」
晴樹「ん? 買い物か?」
美冬「うん、駅前に漫画買いに行くの。今日新刊が出てるはずだから」
晴樹「そっか」
美冬とその姉千夏の恋人である晴樹がふたりで居てふたりで話している様子は何度も描かれてきた.この日は昼のうちに彼女らが姉妹になった経緯が明かされた.帰りしなにまたふたりだけになりたいと言い出したところで,これまでふたりで居たことの,ついに行き着くところがあるような予感が高まる.
晴樹「なあ、昔の千夏の話、聞かせてくれよ」
晴樹「お前が出会った当初の千夏で良い、自分の知らない彼女の姿って……結構男としては興味が湧くっていうか……」
美冬「うわ~、悪趣味なやつ~」
美冬がそっと空を見上げる。
そこで千夏の話を始めるはずであるが,実際のところは美冬が千夏に対してどんなことをしてしまったか,そして千夏が美冬にどんなことをしてくれたか,という美冬の打ち明け話になっている.
この日は打ち明け話の勢いのままふたりとも気持ちが昂ぶってしまって,帰宅後に晴樹が美冬にメールしたら美冬からは電話で返事がくる.で,どういうわけだかそのまま午前0時に美冬と千夏の父に会って娘さんへの気持ちを吐露する算段までつけてしまう.どんな日だよそれ.深く降りてゆくような,ちょと足滑らせて落ちてもゆくような感情の日だった.

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美冬とたくさん話をすることができて幸せな一日でした.
愛しい.愛しい.愛しい.