うた∽かた #8

悪意とそれをあらわにした結果というのは往々にしてずれている.あの花吹雪の結果が入院していた女性にとって幸だったのか不幸だったのか良くわからないという様子である.そんな風に,仮に一夏にも誰かの悪意が向けられているとして,彼女らが付け入るべき隙はそこにあると思う.

此何遽不為福乎.

付け入るというのは難しいが,長い目で見るということは遠回りではあるがそういうことになるんじゃないかと思う.見守る側の僕としてはそういう気持ち.

塞翁が馬という故事がある.いつからいつごろまで幸福だったとか不幸だったとかいうような,禍福を断ずる際にとる時間の幅は恣意的なものであり,気の長い人ほどその幅に融通をきかすためのゆとりを持っているという話だったと僕は記憶している.

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