工学と科学

酒席にて.なにが違うの! 三点でカンケツにまとめなさい,と向かいの姉さんがいうので,いろいろ言ったのだけど納得してもらえなかった(三点でなくいろいろ言ったからだ).で,別の方向から.

京都で役に立つが東京で役に立たないという工学はあっていい.
工学は人の領域をつくる学問なのだと思う.

この“人”の部分は生命や人工物でもあるようになってきたのだけど,領域,というとらえ方だけは変わらない.

工学は科学の応用であると昔は思っていたけど,応用という言葉は簡潔に過ぎるか深い意味を込めすぎている.応用には必ず応用の対象となる人や場所や現象があって,ものがそこに加わることによって対象そのものが変化してしまうことを考える必要がある.そこで複雑系のような数理の話へ持ってゆくよりは,つくったものを置く場所であるとか,つくったものが新たな環境を形成する,というニュアンスを込めて領域という言葉を使いたい.

琵琶湖疏水の話に繋げたかったが,まだ二三歩足りない.

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