竹宮ゆゆこ「とらドラ3!」

麻耶ちゃんやっぱ友達だよなぁ(p.226).かっこいい.

友達の友達はみんな友達,というわけにはゆかない.自分にとっては両方が友達だけど会わせなきゃ良かった,まぜるな危険ということがある.気が合うグループがあって,しかし複数のそうしたグループと付き合いがあるというのも自分のなかでは矛盾しない.気が合うというのは一通りではない.一方で傍目にはひとつまたいだ先の友達は得体が知れなかったり腹立たしい存在と思えることがある.自分のなかの不揃いには優しいのであるが,他人の付き合いもいろいろ交ざっていると納得するには時間がかかる.

川嶋亜美は櫛枝実乃梨周辺の面子とからむ機会が増えつつあるが,それは麻耶たちと友達でなくなるということではないだろう.竜児が付き合ってみると川嶋亜美の振る舞いは綺麗に白黒区別できるものではなかったし,本人が何か困っている様子でもない.亜美には裏表があると竜児に拘らせているのはファミレスでの出会いのときの北村君による誘導であって,大河は問題にしていない.北村君としてはなんとなく似てるとか気が合いそうだと直感された自分の知りあい同士を引き合わせてみたのではないか.自分をはさんで人を紹介するときには自分が思うところの誰それはこういう人物であって,というところから始めるのが普通なので,北村君も自分が思うところの川嶋亜美像というのをおそらくは自分が体験したような形で竜児に見せたのである.

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