ef #9

千尋のもの言いも蓮治をミスリードしている.自分がいま頬を染める理由がその過去の日記を読んだからなのか,現在彼が傍でずっと優しくしてくれてるからなのかってのは分けられないと思うけど,文字に書かれてることのほうを彼女は優先しちゃうから,日記に書かれた過去を前提とした好きであるように,つい言ってしまうのね.日記以外に頼るべきものが少ないことの不安もあるだろうけど,文字偏重なのはたぶん事故以前からのこの人の性格.そもそも記憶は日記に写し取れない.文脈の大きく欠けた日記から彼女が自分の記憶らしきものを掴み取れるとすれば,それが恋心であるとすればなおさら,この人の自分を物語として見つめる素養の上にある話.

人物が発光するのもよいですね.こちらもいいとこ挙げ出すときりがないけど,含みをもたせた台詞やドラマを個別に見る分にはさして.若気な話をやる上では手筋かなというくらい.だけど全体としてのやんちゃ感は好き.今回だと,どんなけ情熱的な服の脱ぎ散らかし方やねんそれ,とか.僕はシャフトの絵づくりは嫌いなはずなんだけど,新房昭之じゃなくて大沼心だから見れてるのかなぁ.

いや,千尋可愛いからか.

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