歩く

足を右左右と交互に出すのが歩くということではないらしい.姿勢が悪い,もっと胸張って歩けとか,男なんだから外股で歩けとかいろいろ言われます.顔あげて,あご引いて,いや,どっちだよ.

年末に体を壊してから歩く量が減っていて,そうすると歩き方を忘れたということはないだろうけどたまにちょっと歩くと何か変な足の出し方をしているらしく,すぐに付け根のあたりが痛くなる.姿勢が悪いのが影響してるのかもしれないし,もう,きっとなにもかも出来が悪い.

歩き方に気がつくのは観察で,その人をちょっと離れたところから見ようとしたときに姿勢悪いなぁとか思う.隣でいっしょに歩いてるとそういうのは見えにくい.だからどうか,僕と歩くときは僕の隣を歩いてください.

たとえば遠近深咲とふたりで登校するとき.

深咲「ほら、ゆっくりしてないで、もっときびきび歩く」

隣で歩いていると第一に気づかれるのは速度のほうである.

ふと気がつくと、遠近の歩幅は俺と同じゆっくりとしたものに合わせてくれていたが、なにも言わずにいる。

離れて見るときの歩き方をああしろこうしろは一方的であるが,ふたりが近いときの歩法とは互いに調整される類のものである.

たったこれだけのことであるが,歩くということの善に触れたように思えて嬉しかった.

七つのふしぎの終わるとき 初回限定版

七つのふしぎの終わるとき 初回限定版

相変わらず画面にかぶりつきで描線にうっとりしています.前作で丸くなった顔の輪郭にまた角度がつくようになって,斜めから見るときのその筆遣いが絶妙.たいへんどきどきします.絵柄を意識して変えてるようだけど,「そして明日の世界より――」から「秋空に舞うコンフェティ」そして今作まで次第にCGの解像度が精細になるなか,ようやくこの角度を表現可能なドット数に辿りついたのではないかと思えます.

グラフィックデザインも美しく,気が利いています.CGというのはほんとう,心奪われるものだと思います.

宵闇へ.(2)

明るい昼間から影の差す夕方へかけて,気持ちの水準が変化するのに任せて話すんだふたりは.

初めて会った日からこんなでしたね.

晴樹「ああ、また明日」

玄関口で琴宮と別れ、今日の夕飯は何にしようかと考えながら自分のアパートへと向かう。

美冬「待って、私も行く。駅前でマンガ買いたいから」

晴樹「うおっ、何だよお前、爆睡してたんじゃないのか」

美冬「ふん、今目が覚めたのよ」

買い物をいつもの口実にして,夕闇に溶け込んで話せるような機会を設けているのだ.

美冬「ねぇ、あんたさ」

晴樹「ん? なんだ?」

美冬「お姉ちゃんのこと……好きなの?」

晴樹「はあ!?」

会ったその日から直球である.

晴樹「それより一つお前に報告がある」

美冬「ん? なんだよ」

晴樹「俺、悪いけど今日からお前のお友達になったから」

美冬「はあ?」

お返しとばかりにこちらも直球である.立場を入れ替えての類似したやり取りが,ふたり通じ合えてるかのような調子を作り出していて心地よい.

ラブラブル~Lover Able~

ラブラブル~Lover Able~

それにしても,帰り道をともにした相手というのは記憶の深いところへ残るように思います.

宵闇へ.

なんでもないこと,なんでもない時間をふたりで過ごして,その去り際であるとか日が落ちる少し前,終わりが近づいて気持ちがぎゅっと詰まってきたら打ち明け話の時間だ.静かな空気のなか声を溶かすように,一日が夜へ吸い込まれる勢いを借りて.

今日はそういう日になるだろうな,っていう流れがあるよね.

きっかけは家族の話で,私とお姉ちゃんじつは義理の姉妹なんだ,とか.大きいようにみえて,でも本当に打ち明けたいのはその程度のことじゃないんだよなぁ.

以下,晴樹が千夏の家から帰るところ.

美冬「待って、私も行く」

晴樹「ん? 買い物か?」

美冬「うん、駅前に漫画買いに行くの。今日新刊が出てるはずだから」

晴樹「そっか」

美冬とその姉千夏の恋人である晴樹がふたりで居てふたりで話している様子は何度も描かれてきた.この日は昼のうちに彼女らが姉妹になった経緯が明かされた.帰りしなにまたふたりだけになりたいと言い出したところで,これまでふたりで居たことの,ついに行き着くところがあるような予感が高まる.

晴樹「なあ、昔の千夏の話、聞かせてくれよ」

晴樹「お前が出会った当初の千夏で良い、自分の知らない彼女の姿って……結構男としては興味が湧くっていうか……」

美冬「うわ~、悪趣味なやつ~」

美冬がそっと空を見上げる。

そこで千夏の話を始めるはずであるが,実際のところは美冬が千夏に対してどんなことをしてしまったか,そして千夏が美冬にどんなことをしてくれたか,という美冬の打ち明け話になっている.

この日は打ち明け話の勢いのままふたりとも気持ちが昂ぶってしまって,帰宅後に晴樹が美冬にメールしたら美冬からは電話で返事がくる.で,どういうわけだかそのまま午前0時に美冬と千夏の父に会って娘さんへの気持ちを吐露する算段までつけてしまう.どんな日だよそれ.深く降りてゆくような,ちょと足滑らせて落ちてもゆくような感情の日だった.

ラブラブル~Lover Able~

ラブラブル~Lover Able~

美冬とたくさん話をすることができて幸せな一日でした.

愛しい.愛しい.愛しい.

ごちそうされる

僕がぴちぴちの大学生だった頃,といえば15年ほど前であるが,ひとり暮らしで自炊というのはそんな珍しいことではなかった.そりゃそうだ.安いんだもの.

年配の方でも料理の好きな男性は普通にいて,僕に関して言えば年齢を問わず男の友達から料理を振る舞ってもらう機会のほうが圧倒的に多い.交友範囲が男性ばかりだから自然そうなってるのだわね.

先日も友達がお雑煮作りに来てくれて,ぼくもようやくお正月を迎えることが出来たのでした.ありがたや.

自宅でご両親と暮らしてる高校生で料理が出来るっていうのは男女問わずあんまいないと思ってるのですが,ギャルゲーでは料理作れる人がよく出てきます.あなたがつくったものをわたしがたべる,わたしがつくったものをあなたがたべるっていうのは親密な感じがありますわね.

ラブラブル~Lover Able~

ラブラブル~Lover Able~

らぶでれーしょん!では女の子のほうが男の子んとこにご飯つくりにくるので料理で尽くすカードは女の子のほうが持ってるのですが,ラブラブルでは男の子も料理が上手い.

ゲームの冒頭にて.

起きてから数分後,適当に顔と手を洗い少し遅い朝食を作る.

今朝のメニューはトーストに目玉焼き.それからパリッとした歯ごたえが気持ち良い朝の定番ウインナー&ベーコン.

更にちょっとしたサラダも用意したかったが,野菜はまだ冷蔵庫に入ってなかったので本日は欠席.

晴樹「ほいおまたせ,兄特製消し炭トーストとカリカリにコゲたその他達だ」

花穂「わー,香ばしい香りー」

つまり失敗した.

いや,上手くないのか? なんだそれは.

花穂「きょ,今日はどうしたの? いつもならこんな失敗しないのに」

晴樹「すまん,馴れないキッチンなもんでな」

ベーコンと目玉焼きは半分頭が寝ていた状態でやったので失敗した.

ぶっちゃけトーストもそんな理由.

晴樹「まあこっちは焦げてないからお前はこっちの方を食え」

比較的焦げてない方の皿を花穂の前に置く.

くそう,料理だけは自信があるのに引っ越して早々このざまとは…….

晴樹「俺のプライドにかけて,明日の朝食はローストビーフにしてやるからな!!」

花穂「い,いいよそんな朝から頑張らなくても」

まあ筋肉痛のせいもあるだろう.

夜はもう少しマシな物を作ってやろうと思った.

料理が失敗してしまったなかに,妹さんへの思いやりを交ぜてくる.ストレートじゃない.

らぶでれーしょん!以来のギャグと相手への気遣いが幾重にも織り込まれたやりとりに魅力を感じます.

あと,ふたりが料理カード持ってると切る権利は競争になります.

花穂「こうでもしないと,兄さん私にお弁当作らせてくれないじゃない……」

晴樹「………」

花穂「………」

晴樹(た,確かに……)

最近は朝食も弁当も夕食も,問答無用で俺の役割兼使命と化してしまっていた.

元々花穂は料理が下手なわけではなく,むしろ得意でかなり上手な方の部類に入る.

花穂「いつも言うでしょ? 自分で作ったお弁当,きれいに食べてもらえると凄く嬉しいって」

料理を作れる,というところから,単にうまいものを食べさせてあげるだけでなくいろんな手筋が広がってるものですね.

ごはんごはん

晴太郎くんにつきっきりで看病してもらいたい感じの年末年始でした.

なるべくカロリーメイトとかゼリーで過ごした.ときどきおうどん.

ラーメンたべたい.無理か.

ごはんつくる男子というのは全くめずらしくなくなったですよね.まぁ,僕が買うようなゲームでは.

Strawberry Nauts 初回版

Strawberry Nauts 初回版

わんこのご飯もつくれる晴太郎である.ゲームの男の子はいろんなスキルを身につけてゆくなぁ.

男の子の住んでる広い居間のある離れ.いかにも女の子のたまり場になってしまいそうな場所だったのだけど,みなさん意外に節度があって飯時にしかこない.個室のほうもそれぞれきれいにしてるしねぇ.だらしなくうち解けるというタイプじゃない.そんな感じで女の子同士の絡みは少なめで,ほどよい距離感.

名もない外野の声(特に女の子)とのちょっとしたやりとりが魅力的なのはらぶでれーしょん!以来のものですが,本作ではライターとして早瀬ゆうが関わってるわけではないので,シリーズの特徴になっているのでしょうか.ラブラブルにはまだ触れてないので判りませんが.

外野の声といってもPITというのはよく判らなかったので終始OFFで読んでいません.晴太郎くんも読んでなかったし.

時空を超えたロマンスはシリーズ的に意外でした.名前がたんぽぽ(娘)というのがヒントになって途中で気づくことができました.最初はふたりの間に生まれた娘が未来から来たのかと思った.

(追記)

晴太郎くん,最後の大立ち回りでさっくりぼこぼこにされてるあたりが良いです.剣術が得意な女の子と仲良くなって,ときどき練習に付き合うこともあって,それでいて男の子のほうの剣技が上達するということには興味が持てないとでもいう風なライティングが好みです.

2011年拾遺

眠れなくなったので.

話の流れ的に,そのほか20本ほど,で済ませた作品も少しずつコメント.どれも面白かったです,というのが前提.

D.C.Dream X'mas ~ダ・カーポ~ドリームクリスマス 初回特典版

D.C.Dream X’mas ~ダ・カーポ~ドリームクリスマス 初回特典版

義之が53年前の芳乃家を訪れるくだりがあります.D.C.において芳乃さくらの部屋として示されるあの背景CGの異様さがD.C.IIのスタッフにも正しく理解されていることが判ります.

しかし,五十年前の芳乃家は思った以上に生活感のない空間だった.

妖怪でも棲んでいそうな,そんな雰囲気.勝手知ったる自宅のはずなのに別の空間のような……そんな感じがした.

俺はさくらさんの暮らしているであろう部屋を見回す.

鏡台,複合機,そして卓上には旧式のパソコン.

それだけが,この部屋を構成している要素だった.

俺の知っているこの部屋には,テレビと座卓があった.

それは家族やお客さんと一緒に団欒をする前提で置かれたものたちだ.

事実,その部屋で俺はさくらさんや音姉,由夢たちと一緒に笑い合いながら食事を摂っている.

しかし,この居間にはテレビがない.

おそらく,この時代のさくらさんは映像ソフトを,卓上のPCで観ているのだろう.

それが,俺の中でちょっとだけ淋しさを増幅させた.

完璧な分析! D.C.IIとD.C.を接続してきたのはこれまで主に雨野智晴の仕事だったと思うのですが,たけうちこうたもさすがです.

杏「なんか,この家,私の家の雰囲気にちょっと似てるわね」

ここはどういう経緯なんだろな.初めからたけうちこうたがD.C.の芳乃家をイメージして雪村家の様子を描いたという気はしなくて,それで,改めて振り返ってみるとそういう風に共通していたのに気づいたのだとして,そういう一致は面白いですね.

つか,D.C.D.X.では雪村の話がいっぱいでした.ありがたやありがたや.

ななついろ★ドロップス

ななついろ★ドロップス

男の子のほうがばれちゃいけない魔法の秘密を抱えているというあたりが乙女ですよね.市川環による新感覚魔法少年・魔法少女物語.

Flyable CandyHeart

Flyable CandyHeart

ALICEぱれーどに引き続き,スタジオメビウスでの仕事が多かったライターさんたちによる執筆.個人的にはブロッサムお助け部隊と呼ばせて頂いています.手堅い.

市川環が率先してやらないようなこともできるのが魅力でして,つまり,大変あられもないです.

わんもあ@ぴぃしぃず

わんもあ@ぴぃしぃず

小鳥遊誉の結婚式前夜のお話.Peace@Piecesで市川環がやりのこしたことがこれなのだとすれば,やはり僕にはブロッサムお助け部隊が必要です.

きっと、澄みわたる朝色よりも、 豪華初回限定版

きっと、澄みわたる朝色よりも、 豪華初回限定版

ぶっちゃけ一気に読もうとしたのが間違いだった気はします.

アララギ派.

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20110116

リアル妹がいる大泉くんのばあい

リアル妹がいる大泉くんのばあい

病身の女の子には個人的に思い入れがございます.

Skyprythem 初回版

Skyprythem 初回版

あと,絵がよい,というのもあります.

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20111225/1324815312

Acacia3800シリーズ 夏めろ

Acacia3800シリーズ 夏めろ

目のやり場に困る立ち絵.脱ぐ前がすごいんです.

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20110827

装甲悪鬼村正 通常版

装甲悪鬼村正 通常版

ニトロさんどれも面白いけど,僕が好きなのは”Hello,world.”だけです.

シュガーコートフリークス

シュガーコートフリークス

はじめに公開されたキービジュアル(パッケージイラストでもある)の鮮烈さに尽きます.

天使の日曜日

天使の日曜日

水姫さんかわいい.

そのほか,20本ほど.減ってませんが,いや,まぁ,そういえばコンシューマーも含めたらそんくらい.僕はひとつのゲームを緻密に見てったりなるべくできることは全部やってみたり,というようなことはめったにやらないので,本数から想像できるほどにはゲームやってません.

今年いちばん長い間やってたギャルゲーといえばこちらでした.

初音ミク -Project DIVA- 2nd (特典なし) - PSP

初音ミク -Project DIVA- 2nd (特典なし) – PSP

雪村クロニクル

D.C.II S.S.の2話やら6話やらをまた見るにつけ,雪村の話をぜんぶなぞってまとめておきたいと思いつつ,登場作品数が多すぎておいそれと手を出せないなぁ,とは思っていたのですが.

網羅的にまとめちゃうこと,たとえば,一冊の本にするとかも考えるけど,そうすると終わりになっちゃうかもなぁ,とも思えて.

全部を一度に眺めるんじゃなくて,適当に内容を忘却しつつ,部分部分また改めて見てゆくくらいのほうがほどよいフォーカスも生まれるし,またそれこそ雪村的でもあるので良いんじゃないか.

D.C.II S.S. 第6話のたとえ話の中で,女の子がものを覚えていることができなくなったきっかけは病気ということになってたのだけど,ゲームの雪村でそういう病気の話があったような気がしない.たとえ話なのであえて判りやすく病気といったのか,そうでなかったのか.そのへんのこと.またいつか,いろいろ忘れたころ不意に確かめるような感じでよいかと思った.

家政のプリンス,プリンセス

2011年に触れたゲームより.

めちゃ婚!

めちゃ婚!

若い子らのハレムで面白いのは,共同生活のなかで家政の話になりがちなところだわ.

ご飯を作るとか家事の負担,暮らし方の話.家族会議っていうのがよく出てくるんだけど,家族っていうかね,面子的には学級会議みたいな.

With Ribbon

With Ribbon

こちらも女の子が男の子の家に間借りするようになるけど,寮母さん付きの合宿所みたいになってる.お母さんが家にいるかどうかの違いかと.

男の子と女の子は三日とかからず恋に落ちてよいと思うのですが,そういうのについてこれない人のために三日間を引き延ばして感じ取れるような何度も繰り返す日々のループが設けられています.

いろいろ細かいところが好きですが,全体,絵が可愛いらしいというのに尽きます.

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20110529

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20110606

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20110621

恋愛家庭教師ルルミ☆Coordinate!

恋愛家庭教師ルルミ☆Coordinate!

一目惚れの速度についてこれる人はこちらで.

あと,住み込みの家庭教師さんたちと生活について学ぶよ.

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20110919

癒されご奉仕 ~夢の館で賢者タイム!~

癒されご奉仕 ~夢の館で賢者タイム!~

娼館における女の子たちの共同生活.

やたら一緒にご飯を食べてる様子が描かれてて良いです.

妹スマイル

妹スマイル

突然やってきた妹とのふたり暮らし.どの妹さんでも必ず飯の話になるのですが,ひとり暮らしマスターである兄も一通りのことができるので,それぞれに面白い.

春菜「うぅ,うぇ……っ」

こぼれ落ちた涙が,ぽちゃっと,天ぷらそばの中に.

泣く人もいる.

夏希「クッキーうめええええええええええ!!!!!!」

叫ぶ人もいる.これがまたいつも絶妙のタイミングで叫ぶんだ.

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20110116

猫撫ディストーション

猫撫ディストーション

飯といえばこちらも.はじめから家事の出来る男子はもはや当たり前ですので,女の子に教わって次第に上手くなってゆくというのが新鮮でした.

宇宙的なロマンよりは星空の下のロマンチックを僕は採りたい.

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20111215

ヨスガノソラ 通常版

ヨスガノソラ 通常版

男の子が食事をうまく作れなくてずっと苦労する話.これもあまりないですね.

気に入ってるので再び引用するけど

初佳の母「はーい、次は唐揚げよー。ちっちゃい子は、こういう揚げ物の方が好きでしょー?」

春日野家が食生活に問題を抱えているためか,どこでなにするにしても飲み食いに関することが目立つ話です.田舎だから,というのもあるだろうけど.

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20110618

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20110629

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20111207

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20111213

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20111214

らぶでれーしょん 初回版

らぶでれーしょん 初回版

こちらは都会の高校生なのでファミレスとか.

千歳「天丼もいいねっ,あとは……海鮮丼もいいかも」

主人公「たまにはパスタとか言ってみろ」

駅前で海鮮丼と刺身の盛り合わせを,二人で仲良くたらふく食べた.

あと,橘観美先輩がとても素敵な人なのです.

http://d.hatena.ne.jp/tsutsu-ji/20110327

エビコレ+ アマガミ(通常版) - PSP

エビコレ+ アマガミ(通常版) – PSP

アニメではずいぶんな食いしん坊になっていた梨穂子さんですが,ゲームのほうはもそっと節度ある天使ですよ.

そのほか,20本ほど.来年もこんな風だとよいですね,ほんと.

Skyprythem

僕としては水谷紫さんをガン見ガン聴していたのですが,和希がいま誰とこころ近くしてるかははっきりと判らないので,紫さんから告白されたときに僕はやったーと思ったものです.判らないといえば冒頭,話の流れからすると千花子が飛び級してるか和希が留年してるかしかなかったのですが,6:4で飛び級のほうだと思ってたのよね.そのうち留年だということがはっきりしたあたりでSkyprythemのありようが見えてきました.まっただ中にある出来事は急いで描かれる必要がない.

学校の行事や日々ともにする行動はそれぞれが特別で,だけどやっぱり日常には違いないとでも言わんばかりにすぐ薄れてく.10年経ってから思い出して,そんときようやくお話になるのだよ.流れのまっただ中にいるときは前から流れてくるものを受け取って,また後ろへ流してゆけばよいです.

日々の流れにあらがって立ってるだけでも大変だなぁと.和希が自室へ帰るたび揺らいで,また起き上がって出かけてく様子が好ましいです.

Skyprythem 初回版

Skyprythem 初回版

紫さんたいへん可愛いなぁ,というところで,ほかの娘さんたちには触れたくない気分です.よいクリスマスだな.

天才ピアニストという外向きな前書きに対して話がプライベートなところに収まってるのもよいです.ピアノが上手なのはそれはそうとして,もっとこう些細なところを拾ってゆきたい.

来年もギャルゲーがこんな風でありますように.

流星群

角川映画の記憶があるからたぶん高校の頃だったろう,家族で夏に天川村へ出かけた.父の仕事のご縁だろうか,どこかのおうちへ泊めてもらって夜にはそちらのご家族ともいっしょにペルセウス座流星群を見に行った.

天川村でなくとも山へゆけば星などいくらでも見えるのだけど,そこは名にし負うところである.森のすこし開けたところで地べたに寝転んだらいちめん星だった.

星はときどき流れた.

そういえば星を見に家族で出かけるなんてことはこれが最初で最後だった.家族のうち僕が星好きであったことも,たぶんこの旅行と関係あった.鮎をはじめて食べて,天河神社に参拝し,まだ作りたてみたいだった村営の天の川温泉に浸かって帰った.

僕にとっての星はもともと図鑑が9で星空が1くらいだったから,星空が胸まで降りてくるのには時間がかかった.大学の後半,独り暮らしになってようやく星空が星空として見えるようになった.そうして大学のサークルでも同じ流星群を見にいった.定番の鴨川デルタ.このときに見た星は大きかった.

昨日は東京ではじめて流星を探して,雲が晴れるのを待った午前5時,ふたご座の方角に星がひとつ流れた.

猫撫ディストーション

猫撫ディストーション

星へ思いを馳せた物語は,輝きであったり伝承であったり願いであったり solar system の制度であったり,およそ美の世界に属してる.

琴子「クリスマスツリーのてっぺんの星,あれって何だか分かりますか?」

琴子「馬小屋で生まれた神の子の場所を,賢者たちに教えた星なんですよ」

俺には,その大きな流れ星が,何かを教えてくれたような気がしていた.

生誕伝説は星と共にあった.

俺も流れ星には思い出が多い.

琴子と一緒に,原っぱに星を見に行ったこと--.

3年前のふたご座流星群--.

ギズモを公園で拾った時--.

それと,ついこの前の流星群--.

いつだって,世界が変わるのは星の降る夜だった.

図鑑のロマンチック少年少女は星の美に思い出を繋ぎ,世界の変化を仮託する.

樹「コスモスって,いつ咲く花でしたっけ」

式子「基本は秋だけど,12月の最初くらいまでかな~」

樹「へえ.雪が降ったりしたのに,頑張りましたね」

でも,単にそのコスモスが頑張っただけならいいんだけど.

この辺ってちょっと異常気象のケがあるからな…….隕石が降ったり…….

隕石,か.

あの,星降る夜に--

cosmos(宇宙)から星へ.花を見るにつけても星のことが連想されて.

流れ星ってのは,場所を選んで落ちてくるんじゃないか?

(中略)

そんな風に思うのは,妙にこの街には隕石がいっぱい落ちてくるからだ.

ここは昔からそういう土地だったらしい.

まだガキだった頃,学校で先生が自慢げに話してた.

そういう特別な石は,剣や刀の材料になったり,神社で祀られたりするから…….

そんな石の採れるこの地が,要石(かなめいし)の地と呼ばれるようになった,と.

鉱物も組成に色や輝きが伴う理科年表らしい美として,星と同じように思いを託されがちである.また,流星と鉱物を直接つなげるものとしては隕鉄があり,古くから特別なものとして伝えられてきた.

そういえば,この街の神社は,妙見っていう星の神様を祀ってたっけ…….

星への信仰.

琴子はポケットから,一掴み分の小石を出して見せてくれた.

樹「なにそれ?どうして石なんか……」

琴子「これ全部,隕石です」

樹「え!?」

琴子「姉さん,こういうの拾ったら,みんな私にくれるんです」

琴子「私が,流れ星好きなのを知ってるから……」

兄が連れてってくれた流星群,姉からもらった星の欠片,そういうのも全部あつめて.

冬のふたご座流星群に寄せて,すべては愛しい妹のために重ねられる,キラキラとした,せつない,星物語でした.