ウィザードリィ,というか隣り合わせの灰と青春が好きだった彼と接点があったのは不思議なのだけど,そういう表面的なとこは友達となるのにあまり関係ないんだろう.ベルセルク,ねこぢるうどんにも僕はついてゆけなかった.そして彼はブラックロッドに心酔していた.僕は彼の好みから勝手に想像していて,外連味のある,極端な志向の,ちょっとおかしいような,乱暴そうな,つまり男子の好きそうな話は嫌いだったから読まなかった.まぁ,これについては雨宮慶太の絵も5割くらい悪い.
表面において全く趣味の違う彼が僕と僕のセッションのことを慕ってくれたのはとても光栄だった.
- 作者: 古橋秀之,前嶋重機
- 出版社/メーカー: メディアワークス
- 発売日: 2000/01/01
- メディア: 文庫
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彼は僕らとMさんが集う場を築き,Mさんのファンページを作り,僕らのささやかな数年間を支えた男だった.ご存命であればあのまま大作家になっておられたであろうMさんもきっとこの小説が好きだったのだろうな,といまさらにして思う.どこか似ているよ.
周りに望月三起也とか武論尊とか板垣恵介とか平野耕太とか好きな人が多くて辛かった.卒業して彼とは会わなくなった頃,男子っぽい話にも慣れてきた.そういうこともあって,機会があるごとに古本屋で探してたけど置いてなかった.だけど先日,安倍さんが前嶋重機という人を誉めているのを見たので勢いがついてAmazonで購入.3冊注文して,一番先に届いたこの巻から読んでる.
ワルモノは捕縛されたところから始まってなんぼだわ.
ブライトライツ・ホーリーランドは魅力的な女の子満載なので僕にとっても読みやすかった.第一,上に挙げた作家とあえて並置するような作品でもない.薫さんがときどき言うように,ただの傑作.
あと絵が良いので何度も口絵と本文とを行ったり来たりした.
ブラインドフォーチュン・ビスケットが可笑しいと思う.星占いを見るのは一日一回か一月に一回で事足りる.5分のうちに1500回唱和されるフォーチュンはたいへんばからしい(p.80).
「こんなに可愛くて楽しくて(もぐもぐ)おいしいなんて! なんて素敵!」(p.77)
おいしいかかわいいかどっちかにしろ.
素敵でばからしいフォーチュンが全てのひとたちに降り注ぎますように!