アニメとウニメ

夜からは同窓のIと彼女のSさんを交えて飲み.キャラクターの生命的な動作のありかたとアニメ史とは切り離せないという話を聞いた.情報工学では生命的キャラクターを作るという点でディズニーのThe Illusion of Lifeが参照されるという話をしたらちょうどSさんが詳しくて,互いの領域に接点の多いことが判った.僕らにとってフルアニメーションというのは気持ち悪くて口だけ動かすような日本のアニメのほうが自然な感じがする.あるいはゲームの立ち絵というのもそうである.それを僕らの普段のジェスチャの大きさとか頻度とか日米の文化的な違いに持ってくとどうも足りないので,認知科学の話に持ってゆきたい.アニメ学会では認知心理屋さんが多くて,極端な例ではボールをどういう風に跳ねさせると生命的に見えるか,というような実験をしているそうだ.
あと東映がある動作に対応する動画のデータベースを持っていて,必要に応じて引き出し,改変することによってカットを作成しているという話.よく似たことをうちでやっていたので冷や汗が出た.
Sさんは映画のカットの長さを詳細に分析していて,それが役に立つとはご本人もあまり思ってなかったらしいのだけど,情報工学的にはそういう話は嬉しくて,僕らは下品だから統計的な情報を使ってどのカメラワークをどの頻度で使えば観客を引き込めるかなんてやることが多くて(NHK技研とかでやってる),だからメディア論のほうでそういう既製品の研究があると有り難く利用させていただくことになるのである.どしどしやってくださいとお願いした.

国内外,戦前から今に至るアニメたちについて,Iは通史をやっているしSさんは戦前のプロパガンダアニメについて研究しているのだけど,今の週に何十本とあるアニメは見ていないという.アニメと一口に言ってもおそらく文化庁の言うアニメとアキバ系の言うアニメはかなり違っていて,そのギャップは彼らも認識しているのだけど,いかんせんそこまで戦線を拡大するには人手も需要もお金もないという状況であるようだ.コンテンツに関してはプロポーサルを出せば入れ食いみたいに予算が下りるのだけど(アニメではないが片神名がそのいい例である),理論では全然予算がもらえないとのことである.

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