D.C. #22

頼子さんが嘘にならない話.
頼子はご主人様の元へ走って帰るのだけれど,その疾走する道行きは描かれない.それは龍神村のうさぎの子とは違って,爽快なものでは在り得ない,好きな学校を卒業した日の帰り道だからである.
人より短い時間を生きてく彼女には入学と卒業とが同じ日にやってくる.なまじ人の姿をしてたのでこちらが勝手に思い込むのであるが,その速さが胸に痛い.たったそれだけのことでいいの?って聞きたくなる.
未練がましく寄り抜き頼子さんとか作ってしまいたくなるような気分.

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