D.C. #25, #26

D.C.のゲーム版は朝倉純一の芳乃さくらに対する気持ちがはじめからはっきりしているところが気に入っている.純一にとって従姉であるさくらのことは守らずにはいられない存在である.純一が困っているさくらを助けることは純一にとって約束すらするまでもない当たり前のことであるとして二日目の夜に示されている.ついでに言うとPC向けゲーム版に先立って発売されたファーストファンブックではライターの御影氏による芳乃さくらの短編が掲載されており,さくらの恋心について純一がちゃんと理解していることと,純一がさくらのことを大事に守ってやりたいと考えていることとが,あのやんちゃで優しい男の子の筆致で描かれている.正直なところ,本編が始まる前に芳乃さくらの話は終わっている.気持ちの交換なんかはもう済ませている.あとは時が満ちるのを待つだけである.

アニメ版では純一の音夢に対する愛情がそれと同じくらいはっきりしているのが良い.そしてそのことを純一がさくらに示し,ゆっくりと理解してもらうために長い時間が費やされる.

こういう物語の時間の過ごし方を,僕は好みます.

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