うた∽かた #6

目まぐるしく変化する天候に気持ちが左右されるだなんて勘弁して欲しいところであるが,晴れたら晴れ晴れとして曇れば薄暗い気持ちになるものである.雨が降る中,うじうじとしていた一夏の気持ちがいっとき晴れるのは,その視力で雲の上の青天を見ることが出来たためであり,どこまでもまあ天候とかそういう広くて大きなものに左右されちゃう人なのであった.

一夏の気持ちがぐちゃぐちゃになるのは憧れのお兄さんと隣家の綺麗なお姉さんとが会っているのを見たためだけでなく,ネックレスを壊してしまったことや裸でベッドに潜り込まなくてはならなくなったアクシデントのせいでもあるだろう.どれが原因かなんてこういうとき区別はつかないから困る.しかもたいてい人間のせいにしてしまう.一夏はちょうど今そういう性質になりかけてるんじゃないかと思うのだが,これまで風や空のことばかりだった人がそんなのに変わっちゃう日々は,しんどいものである.子供では手の届かないところもあるのでお兄ちゃんズには頑張って欲しいのであるが,どうか.

次回から勾玉が白と黒のうち黒のほうへ進む.えらく直接的な絵ではあるが,中学二年の女の子のひだひだとした気持ちの話なので,骨組みはそれくらい下品であるほうが読みやすいのかな.基本的にこういう下品な絵は嫌いなのであるが,それを保留して見ているうちに是と思えるようになることがある.

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