シムーン #13-#19

アーエルがおじいちゃん子だねぇ.よかよか.

繰り返すけれど,アーエルがシムーン乗りになった理由は一つに定まらないと思う.そもそもの理由,というのは日々作られてるんじゃないかしら.それに自分のなかでも流行り廃りのようなものがあって,昔の理由が今また復活する,というのも僕には経験される.そんなのはなんでもわやくちゃにしてしまう物言いかもしれないけど,アーエルの直言については彼女に揺るぎない信念があるから出てくるというよりは,直言することによって揺らぐ人々の間から拾い上げるべき信念を得ている,というくらいに逆転させて言うほうがしっくりくる.揺るがすための道具を心得ていて,拾うべきものを誤りがたいとすれば,おそらくそれは一徹の信念と区別がつかなくて,とくに乱世におけるそれ.つまり,変化し続けることを一徹であると呼ぶことができる場合のこと.歩いた後から一つの道が出来る時代のこと.というのはアーエルのおじいちゃん子ぶりが出し惜しみ気味であることの説明としてね,どうやら祖父のことはあまり話すことができない事情もあるようだけれど,例えば祖父の残した言葉であるとか,明らかに目指すところがあってアーエルが行動してるわけではないことがそのまま現れでてるんじゃないかと.どちらかっていうと一つ一つ足場となるものを拾い上げてゆく人で,どこか遠くを見ているときは,ただどこか遠くを見てるんだろうね.

きっとアーエルに限った話でもなくて,アルクス・プリーマやメッシスのみなさまにおかれましては.ある日の甲板に,だれがその空の景色を遠く眺めていてもおかしくはないという感じがする,風を切って進む空の上でのおはなし,おはなし.

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