Act.II

琴梨がありがたいと思うのは,とにかくどんな失敗料理でも美味そうにぱくぱく食べてくれることだ.(p.19)

育ち盛りの女の子5人を養うには甚だ心もとないが,秀明のせいというわけでもない.このあたりはちょっと泣けた.秀明の料理が上手くなるにつれ博士は帰らなくてもよくなってくるわけであるが,一年が過ぎて妹がその腕前に驚くほどになる頃には今度は家が消滅し,いったん博士が帰るしか仕方なくなる.食事は時が解決してしまうので,博士が一度帰還する話の都合上,屋敷が吹き飛ぶのだと言い換えてもいい.

博士が旅に出るのは今度は自分の意思であるため,もはや食生活だけでなく事件の上でも博士の帰還を待つ必要はない.あとは何だ,いつか娘さんたちが屋敷から卒業してしまう日のことをつい想像してしまってセンチメンタルになる.

Act.IIIからAct.Xくらいまでが走馬灯のように頭を巡った.子供とかできてます.

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