清水マリコ「ゼロヨンイチロク」

馬はいるときよりいないときが多く、めぐみの中では馬を見るのは小さなラッキーのしるしだった。小さいとき、母と二人でこの電車に乗っていて、たしかめぐみは微熱で半泣きになっていたのだが、ほらめぐみちゃんあそこにお馬さんがいるよ、もうすぐおうちに着くからね、と母がなだめてくれたことを思い出した。
(P.56)

馬にたいして意味はないのだけど,母との思い出のなかで発見されたそれは特別なものとして目に見えるようになる.見つける,ということはそういうもので,0415も0416もこの馬のようなものである.

手を繋ぐ相手を決めるときに,

性別が違うほうが緊張感が出るので、
(P.188)

とくるのが助平だ.自分には持ち合わせのない感覚なので勉強になった.
だいたいよく身体のくっつく話ではある.手のひらとか胸板とか脚とかトオの頭頂部とか.

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