いちご牛乳飲んでるのを見て,意外と子供みたいな味覚なんだなぁと思った.だけど大人の男の味覚なんてそんなものかもしれない.うちの父もそうだった.母に言わせると,子供のころあまりよく食べさせてもらえなかったから,今になって子供のおやつばかり食べてるということだった.昔はそんなものかと聞き流していたけれど,母のそれにはもう少し深い意味が込められていたのだと後に知った.
お酒を贈るのは外すと怖いから,もらっても消費に困らない無難なところでいつも缶ジュースの詰め合わせにしている.今年はふとアイスの詰め合わせが目に入ってこれはいいと思ったのだけど,僕が贈るものとしては高すぎた(5000円クラスしかない.)今年もジュースにしようと思ったけど,よく見たら本数が多くてやっぱり飲むのに困ってるかもしれないから,同じ価格帯で一番本数の少ないものを選んだ.トマトとか入ってるのでもしかしたら嫌いかもと心配しつつ.
カウンターは30分待ち.テレビはWii FitのCMを流していた.Wii Catというのはどうだろうかとなぜだか思った.猫です.テレビの前に置き,上に乗ります.猫はいい感じにぐんぐん伸びて,溶けそうな,気持ちよさそうな顔をする.
本を読んだ.高島屋お歳暮コーナーの待合室で雪窓を読んで涙ぐんでる男がいた.ちょっと恥ずかしかった.
本を読みながら数字を数えるのはよくないのであるが,数えてしまったので余談.おやじさんは美代が他界した後に美代の山のふもとでおでんの屋台をはじめた.あのたぬきはその後に生まれて,たぬきとしては大人であるにせよ歳は美代と同じか下くらいの感じである.美代が魂を落としたと想像される山から,新しく,にぎやかな者,うつくしい者が下りてくる.山に踏み入れば,怖い者,嫌な者,ちんぴらみたいな子鬼たちがいる.山には山の深みがあるけれど,山のふもと,境界で偲び続けるところに幸の訪れるお話でした.「白いおうむの森」とあわせて読むと,境界に対する鋭さは単純に年齢で失われるものではないことが判ります.
たぬきの言うことはたぬきだけあってどうやら自然にウソになってしまう.ウソ,というのはおやじさんにとって間違いらしいというだけで,たぬきのほうは真剣なんだけどね.山での出来事を説明するのはいつもたぬきのほうなので,最後にはおやじさんもほんとだったのかしらと思ってしまう.屋台に下りてきたうつくしい人も,たぬきが雪女だというのをおやじさんが信じていたら雪女だったのかもしれないんだけど,おやじさんは美代のことに一心に気持ちが向いているから,ちっともそんな風には見えなかった.これまでのそれぞれの暮らしを背景とした,たぬきとおやじさんの見ているものの違いが面白いところです.

- 作者: 安房直子,こがしわかおり
- 出版社/メーカー: 偕成社
- 発売日: 2006/07/01
- メディア: 単行本
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