年上の妹,記憶のなかの兄妹,ロボット

電話にて.この中に1人妹がいるわけだから生徒会長の人(天導愛菜)にも妹疑惑がかかるはずよね,と言ったら,年上なんだから妹のわけないでしょうとにべもなく.でも魔女の人(嵯峨良先輩)は孤児で実年齢にゆらぎがあって妹かもしれなかったやん,いやその手はもう使ったので二度はないと.ウラシマ効果とかでどうにかなりませんか.無理ですか.

生き別れの妹というのは,年齢差のある女きょうだいだったかもしれないし,彼が兄でもう片方が妹という役割をあてていたのかもしれないし,背丈がちいさくて妹みたいに思えてたのかもしれない.幼い頃の記憶では姉と弟のようだったけど,男の子の背が伸びて,再会したときには兄妹みたいになっててお互いに気づかない,とはまれによくある話で,あるいは女の子のほうが男子の背を追い越す場合もあるわけで.

絆を感じさせる妹という言葉と,記憶や記録が失われることの組み合わせは格好のミステリーになる.確かなはずなのに曖昧で判らない.妹は広く,そして変化する.

それで,生き別れの妹を捜してる孤児の男子と生き別れの兄を捜してる孤児の女子が出会ったならばまずはどうする?

雪人「そうだ! お互い感動の再会を果たしたら、またこの街で会うっていうのはどうだろう?」

美優樹「ここで?」

雪人「ああ、瀬名はお兄さんと一緒に来てくれ。俺も妹を連れてくるから、四人で思いっ切り遊ぼう。きっと楽しいぞ」

いや,四人ちゃうやろ,きみらが兄妹ちゃうんか,というツッコミ待ちである.女子校暮らし,ど田舎暮らしを理由にしてこのふたりのダブルボケがずっと続くなか,あんたらが兄妹ちゃうんか疑惑の引っ張り具合も自然なものと思えてくるのが可笑しい.

イモウトノカタチ

イモウトノカタチ

ダブルボケのコンビが新生活になじんでゆく序盤.記録に残ってない人間と,人間にしか見えないロボットの存在,名前も年齢も定かでないだろう孤児たちの,どうにも見た目や記憶の役に立ちそうもない兄妹さがしが始まったところである.

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