D.C.II S.C.

まだ続きが読めるんだ.すごい嬉しい.

もはや,ただ立ってるだけで可愛い.座れば牡丹.歩く姿は,なんだっけ?忘れた.

雪村杏「あ,そうそう.午後から会議があるから忘れないで来てね」
忘れっぽい杏に言われるまでもない.俺は,頷いた.

ここでもちろん記憶について触れないわけにはゆかない.続編としての気遣いの細やかさがよい.

S.C.ではすべての女の子について個別に続編が綴られているので,D.C.IIをすべて終わらせる必要はない.

杏と付き合うようになってから,まる2年が過ぎたが,特に大きな病気もなく過ごしていた.
あの2年前の意識の喪失がなんだったのか,結局のところ,よくわからないまま,時が過ぎ去ってしまったという感じだ.

義之くんの意識の喪失についてはおそらくD.C.IIのほかの話において語られるのであろうが,僕は知らないし,それは特に問題にならない.僕のようにそんな風にして読む人を前提にして話が作られているのが好ましい.もちろんさくらさんがいなくなってしまったこともこの前提においてフォローされる.

桜の花びらを見て,真っ先に思い出すのはさくらさんのことだ.
(中略)
ともあれ,今の俺はいつか帰ってくるさくらさんのために,己を磨くしかないのだ.

義之くんが素敵なのはこのあたりですよね.いつか帰ってくるさくらさんのために.
D.C.のシリーズ作品が成功するか否かはさくらさんにどれくらい敬意を払うかに依っていると思います.
敬意を払うの典型は,宮崎アニメのD.C.とD.C.S.G.と,たぶんD.C.II.

今回S.C.ではじめて例の縁側の風景を見たのだけど,あのコンピュータの置かれた痛ましい部屋が普通の居間になっているのよ.

雪村杏「雪村のおうちに向かっている途中」
そっちに帰ったのか.

ここで雪村のおうち,に対応するのは義之のおうちか,あるいはさくらさんのおうちであると思う.

手ひどく失恋したであろう小恋と音姫は島外へ出て行ってしまっている.音姉はもう少しめんどくさい事情があるだろう.さくらさんが健在であることは音姉からの電話でしか判らないのであるが,

もちろん,音姉が本当のことを言っていないという可能性もないではない.

義之くんに指摘されるまでもなく,そうであろう.無事であればよいのだが.

由夢は戻ってくるなり,台拭きで座卓を拭き始めた.

島に残った由夢はしっかりとしている.いろいろ勉強したようだ.

雪村は音姉にも由夢にも評判がよい.そりゃあ,素敵な人ですからね.
美夏にも懐かれている.優しいんだと思う.あと世話好き.

義之くんによる雪村評は歪んでいる.彼は雪村の近くに居すぎてよく判ってないのかもしれない.

彼女が生徒会長になったのは,たくらみとかそういうのではなくて,単に人をまとめるのが好きだからだろう.繰り返すけど,あと世話好き.

雪村杏「私たちは私たちにできる最大限の敬意を以って,新入生と対峙しなければならない」

これは本心でしょう.そのあとでいろいろ茶化してはいるけど,上の考えから外れるものではないわけで.義之くんを副会長にしたのは,記憶のことも含めて一番頼りになるのが彼であるからで.

さて今回の騒動は茶番であるけれど,優しい先輩たちである.もちろん杉並も.

エッチなのもよいけど,そのあたりはここに書くことではない.
ただ,背中を向けて立つ絵は,おしりが可愛いとだけ.

あと一箇所補足しておくと,義之くんが初日に朝ご飯をつくって食べるのは,雪村が朝ご飯を作るのをやめたことを忘れてしまっていたのに義之くんには朝ご飯を作ったように言ったか,義之くんが由夢に付き合うため二回朝ご飯を食べたかのいずれかであろう.

とまれ,ハッピバースデートゥーユー,である.

自分の誕生日よりも嬉しいわ,これ.今夜は杏露酒を一本空けました.

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