C.D.C.D. ことり編

ここで美春の話もちょっと補足.いや,ことり編なのだが.

ことり,ともちゃん,みっくんの耳年増(+実際にいたしてしまった人)鼎談が可笑しい.身近に共有しているわかんない問題をみんなでああだこうだ話してるのが,楽しいってことなのですよ? と3人くらいで同窓会するたびに僕も思う.

美春担当のまりさんの筆なので,これもそつがない.御影亡き後のD.C.を支えたのがこの人だってのがよく判る話.なんでD.C.IIは参加してないのん?と思うが,今でも続いてる初代D.C.のフォローも含めほかの仕事が忙しいからか.

ここでは無論,美春も活き活きとしている.学園祭のステージをテンションだけでどうにかしてしまうのが楽しい.高校の学祭のステージというのはそういうものである.

美春の好物は誰が決めたかバナナである.美春はバナナが好きということになっている.僕が鉄火巻を好きで,鉄火巻が好きだということになっている程度には.家族,一族でお寿司を頼むときには,鉄火巻は僕のものということになっている,というストーリーの中にそれはある.たぶん僕は鉄火巻が好きなのであるが,鉄火巻が好きなのか鉄火巻のストーリーが好きなのか,そもそも鉄火巻とは何を指しているのか,考え出すときりがないところである.

トラーがクリストファー・ロビンの森にやってきたとき,ぬいぐるみとして生まれたばかりのトラーのために,プーくまたちはトラーの好物を探さねばならなかった.トラーはぬいぐるみとしては生まれたばかりであるが,その姿はトラとして見ると赤ちゃんトラではないので,好物というものがすでにないとおかしいわけである.しかし,食の好みというのは考えるものではないはずなので,言語化しようとするとどんどんおかしくなってゆく.美春のコピーロボットである美春はロボットとしては生まれたばかりであるために,美春の好物であるバナナについて考えるときの彼女はまったくおかしかった.

美夏はバナナが大好きで,それを言葉の上では大嫌いだと主張する.一見ひねくれているが,好物に関する美春のような面倒くささは美夏世代のロボットにはもうないと言えそうだ.

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