ザ・テレビスター

なんとなくカメラの悪口を言ってしまったような気もするが,カメラにもカメラの絵作りというものがある.

人物がふたり立って対話する様子を撮るときに,ふたりとも体を正面(カメラのほう)に向けて顔だけ横向いて対面してください,という指示が飛ぶのを見た.首が90度近く回るので喋ってる人間にとっては不自然だが,映像としてはそのほうが見映えする対話になるらしい.

あとこれはOさんに教えてもらったことであるが,チュートリアルの漫才も体を正面に向けて顔だけで対面して喋る.これは言われるまで気がつかなかった.一方,オール阪神・巨人の場合,基本,顔も正面(観客席)向けて喋るのね.漫才というのはふたりの掛け合いであるが,顔は対面してなくてもいい.

対話してる人物が顔も体も対面してたほうが判りやすいっていうのは,画面が細かく切り分けられた漫画やカット割りのある映像の話であって,変化の少ない書割の舞台上で話者に長時間スポットが当たる舞台演芸では見せ方が異なってくる.

ギャルゲーの場合,画面の中のウィンドウの数が増えたりカットインとかコマ割り(FFD)が出てくるほどに,舞台演芸の見せ方からは遠ざかることになる.

正面の立ち絵を並べて置くだけでも十分に対話である.別の向きの立ち絵や絵の大小やアニメーションを入れるというのは単に別の種類の対話を見せるというだけであって,対話らしさの優劣には繋がらない.しかし,たとえば賑やかにはなるかもしれない.明日君の立ち絵アニメーションについて言えばスムーズとか自然さといった印象を受ける.明日君のそれは立ち絵に限らない全体の印象でもあるが.

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