ef #10

テレホンカードが100かぞえる速さで会話する.

携帯電話のなかった時代.病院で話をするのはたまの見舞いか,夜の電話か.ナースセンターの前に公衆電話があって,奈良から京都へ電話をかけた.

数字はみるみる減っていった.興奮して,ペットみたいに連れてきた点滴を逆流させながら,喋り続けた.

夜の病棟の廊下にしゃがみ込んで,布団のなかで電話してるようで可笑しかった.たぶん宿直の看護婦さんにぜんぶ聴かれてただろうけど,おかまいなしだった.

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