龍潭譚絵草紙


天満橋 The 14th.moon にて.
http://www.14thmoon.com/blog/14/14thmoon.cgi?date=2008.06.30

龍潭譚という時点で素敵すぎる.
男の子が龍潭譚だいすき!って言うのは気恥ずかしいよなという話なので.

本になったらぜひとも買います.

前も書いたけど,異界へゆきてかえりし少年の心がなにか変わる,という類の話ではない.ふるさとから九ツ谺へ迷い込む道と,九ツ谺からふるさとへまたゆく道は異なる.右から左へ,絵巻物のように物語の景色は一方向に流れるものであれば,そこをゆく少年はただ,ゆきて,ゆきし.少年はなにも変わらないのにその周囲は流れ流れて,九ツ谺を経てふたたび訪れたふるさとはおぞましいものと変容しているのである.

龍潭譚がどうしてこれまで絵にされてこなかったのだろう,という中川学氏(上記絵草紙の作者)のコメントがあったが,金沢の泉鏡花記念館では龍潭譚の立体絵を見ることが出来る*1
http://www.city.kanazawa.ishikawa.jp/bunho/ikkinen/sansaku/tenji.htm
氏が直感されたよう,景色の変容が美しく,妖しく,ひと続きの絵とするに向いた話なのである.

*1:あとでブログを拝見したら氏も記念館を訪れておられるので,ご存じの上での話ですね

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