ジャバーウォッキー

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目を火ともやす ナグルファルが

なぶやえずりつつ 風まきおこし

ふかつき森より あらわれいでぬ

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唄われることばは元の意味らしきものから離れて聴こえてくる.唄のことばでは日常的なことばの繋がりが無視されるものであるし,そもそも耳だけで聴いた唄をことばに切り分けるのが難しいときている.あるいは,唄われるべき歌詞,つまり音に先行する文字のGrand truthがあるだなんて信じる必要もない.

ナグルファル,ということばは何となく不思議な呪文として聴いてるほうが唄としてはいい感じになります.それこそ鏡の国のジャバーウォックかバンダースナッチくらいに遊離したなにかで.

だから,歌詞みないで聴いてるほうが幸せ.それで「ジャバーウォッキー」と「ナグルファルの船上にて」から似た印象を受けるのはどちらも叙事詩のような調子で唄われるからよね.

上の詩はジャバーウォックをナグルファルに置き換えた替え歌.元の歌は芹生一訳「鏡の国のアリス」より.元の歌の元の歌はLewis Carroll, “Through the Looking Glass, and What Alice Found There”より.そして元の歌っぽいものたちについては「ジャバーウォッキー」冒頭の翻訳集を参照のこと.たくさん,たくさんです!

http://www.hp-alice.com/lcj/l_translation.html

翻訳は唄うことに似ている.その日本語は元の意味らしきものから離れて聴こえてきます.

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