Looking-glass Insects

辛いところはスキップ気味に読みました.

いざ屋上から飛ぶというときに口から流れ出す言葉はシラノの話で,まるでフィクションがざくろさんを連れ去るように思える.本なんか読んでるからそういうことになるんだ,と言いがかりみたいに僕は思う.

人は何かありえない衝撃を受けるとかつて親しんだフィクションの驚異とか空想に乗っ取られるようになるときがあるんだ.濡れ衣かも知れないけど僕らそれを原因であるかのように憎む.僕らにとってもありえない原因よりも見えやすいそれを憎ませてくれよ.

その点,サウンドオブミュージックは安全だった.だから僕らは迷わずそちらを棺に入れたのだ.

念のため書いておくけど,フィクションに取り憑かれたがために人がおかしくなる場合よりも人がおかしくなったがためにフィクションに取り憑かれる場合のほうが多いであろうよ.

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